不動産と商事留置権

  • 2018.07.14 Saturday
  • 15:58

不動産が商事留置権の目的物に含まれるかについて、最高裁判決(平成29年12月14日)がなされたのでご紹介します。

 

その判旨は、

不動産は、商法521条が承認間の留置権の目的物として定める「物」に当たる

というものです。

訴訟救助で猶予された費用等の相手方当事者からの取立

  • 2018.06.23 Saturday
  • 10:49

訴訟救助で猶予された費用等の相手方当事者からの取立について、最高裁決定(平成29年9月5日)がなされたので、ご紹介いたします。

 

その要旨は、

訴訟救助で猶予された費用等につき、裁判所が相手方当事者に対して民訴法85条前段の取立をする場合、当該相手方当事者が、支出した費用のうち受救助者の負担すべき費用との差引計算を求めている事情の下で、差引計算を求める範囲を明らかにするよう求めることのないまま、受救助者に猶予した費用に当該相手方当事者の負担割合を乗じた額を取り立てることができるとする判断は違法である

というものです。

 

民事訴訟法第八十五条

 訴訟上の救助の決定を受けた者に支払を猶予した費用は、これを負担することとされた相手方から直接に取り立てることができる。この場合において、弁護士又は執行官は、報酬又は手数料及び費用について、訴訟上の救助の決定を受けた者に代わり、第七十一条第一項、第七十二条又は第七十三条第一項の申立て及び強制執行をすることができる。

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    弁護士法25条1号違反

    • 2018.06.13 Wednesday
    • 09:25

    弁護士法25条1号違反に関し、最高裁判決(最判平成29年10月5日)がなされたのでご紹介いたします。

     

    その要旨は、

    (杆郢遼25条1号違反の訴訟代理人から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為について、相手方当事者は、訴訟復代理人の選任が同号違反として、異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることができる。

    ∧杆郢遼25条1号違反の訴訟行為について、相手方当事者は、訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権を有する。

    J杆郢遼25条1号違反による訴訟行為排除決定に対し、排除された当事者は、即時抗告できる(民訴法25条5項の類推適用)。

    て鰻萃蠅紡个掘排除された訴訟代理人は、自ら即時抗告できない。

    デ忙坐阿稜忙瑳圓ら依頼を受けた弁護士が、破産管財人を相手方とする訴訟において、訴訟代理人として訴訟行為を行うことは、弁護士法25条1号に違反する。

    というものです。

     

    第二十五条 弁護士は、次に掲げる事件については、その職務を行つてはならない。ただし、第三号及び第九号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

    一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

     

    最判昭和38年10月30日

    弁護士法25条1号違反の訴訟行為について、相手方当事者は、異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることができる。

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      相続債権者による財産分離の申立て

      • 2018.05.08 Tuesday
      • 13:06

      相続債権者からの申立てに基づき、相続財産につき財産分離の家事審判が出来る場合について、最高裁決定(平成29年11月28日)が出ましたのでご報告いたします。

       

      その内容は、

      相続人がその固有財産について債務超過の状態にあり又はそのような状態に陥るおそれがあることなどから、相続財産と相続人の固有財産とが混合することによって相続債権者等がその債権の全部又は一部の弁済を受けることが困難となるおそれがあると認められる場合に、民法941条1項の規定に基づき、財産分離を命ずることができる

      というものです。

       

      民法第941条

       相続債権者又は受遺者は、相続開始の時から三箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。

      弁護士が職務を行えない行為(弁護士法25条1号)

      • 2018.04.06 Friday
      • 09:08

      弁護士が職務を行いえない行為(弁護士法25条1号)に関し、最高裁決定(平成29年10月5日)が出ましたので、ご紹介いたします。

       

      その判旨は、

      (杆郢遼。横犠鬘厩罎飽稟燭靴徳幣拌緲人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為については、相手方である当事者は、裁判所に対し、上記訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権を有する

      ∧杆郢遼。横犠鬘厩羂稟燭鰺由として訴訟行為を排除する旨の決定に対しては、自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は、即時抗告をすることができる(民訴法25条5項)

      ➂上記決定に対しては、訴訟行為を排除するものとされた訴訟代理人又は訴訟復代理人は、自らを抗告人とする即時抗告をすることはできない

      で忙佐漂眇佑鮓狭陲箸垢訌幣戮砲いて、破産手続開始前に破産者から再生手続開始の申立て等について委任を受けた弁護士が、被告の訴訟代理人として訴訟行為を行うことは、弁護士法25条1号に違反する

      というものです。

       

      弁護士法25条

      弁護士は、次に掲げる事件については、その職務を行つてはならない。ただし、第三号及び第九号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

      一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

       

      最高裁判決昭和38年10月30日

      弁護士法25条1号に違反する訴訟行為については、相手方である当事者は、これに異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることができる

      民事再生における無償行為否認

      • 2018.03.30 Friday
      • 11:30

      民事再生における無償行為否認(民再127条3項)の要件に関し、最高裁判決(平成29年11月16日)が出ましたので、ご紹介いたします。

       

      その要旨は、

      再生債務者が無償行為等の時に債務超過であること又はその無償行為等により債務超過になることは、民意再生法127条3項に基づく否認権行使の要件ではない

      とするものです。

       

      民事再生法127条3項

      再生債務者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。

       

      「主文例からみた請求の趣旨記載例集」が重版となりました。

      • 2018.03.24 Saturday
      • 10:50

      先日、当事務所で、「主文例からみた請求の趣旨記載例集」(日本加除出版株式会社)を出版したことをお知らせしましたが、この度、重版(第2刷)が決定しました。

      専門書なので重版といっても出版数は少ないですが、当事務所で初めて出版した書籍が出版後4か月で重版となりましたことは、大変光栄であるとともに、ご購入いただいた皆様に深く感謝いたします。

       

      今後は、改正民法の施行に合わせて第2版を出版することを目標に、改訂作業に取り組んでいきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします(出版できるかどうかは不明です)。

       

      破産後に一部弁済を受けた破産債権者の残債権超過部分の配当

      • 2018.03.10 Saturday
      • 08:18

      破産後に一部弁済を受けた破産債権者に対する、実体法上の残債権額を超過する部分の配当について、最高裁決定(平成29年9月12日)が出ましたので、その内容をご紹介いたします。

       

      その要旨は、

      破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合において、破産手続開始時における債権額を基礎として計算された配当額が実体法上の残債権額を超過するときは、その超過する部分は当該債権について配当すべきである

      というものです。

       

      もっとも、超過部分は、求償権者(物上保証人)に帰属すべきものなので、例えば’枦を受けたうえで不当利得として求償権者に交付する、超過部分の配当請求権を求償権者に譲渡するなど、利益調整を別途行う必要があると考えられます。

       

      ※破産法104条

      1 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。

      2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。

      3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。

      4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。

      5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する

      保証人に対する貸金請求の支払督促と保証債務の時効中断

      • 2018.02.12 Monday
      • 09:54

      保証契約締結の趣旨で貸金の債務弁済契約公正証書を作成した場合に、当該保証人に対する貸金の支払いを求める支払督促が、当該保証人に対する保証債務履行請求権の消滅時効中断の効力を生じないとする最高裁判決(平成29年3月13日)がなされましたので、ご紹介いたします。

       

      その判旨は、

      保証契約締結の趣旨で貸金の債務弁済契約公正証書を作成した場合に、公正証書に記載された貸金の返還を求めて当該保証人に対して支払督促をしても、貸金返還請求権の根拠事実は、保証債務履行請求権の根拠事実と重なるものではなく、むしろ、貸金返還請求権の行使は、保証債務履行請求権の行使と相いれないものであるから、上記支払督促は、当該保証人に対する保証債務履行請求権について消滅時効中断の効力を生じない

      というものです。

       

       

      医師の年棒と割増賃金

      • 2018.02.04 Sunday
      • 13:03

      医師の年棒に割増賃金を含める旨の合意がされていた場合について、最高裁判決(平成29年7月7日)がなされたのでご紹介します。

       

      その判旨は、

      割増賃金をあらかじめ基本給等に含める方法で支払う場合には、労働契約における基本給等の定めにつき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別できることが必要であり(最判平成6年6月13日、最判平成24年3月8日、最判平成29年2月28日)、医師との間で時間外労働等に対する割増賃金を年棒1700万円に含める旨の合意がされていたものの、割増賃金として支払われた金額を確定することができない場合には、割増賃金が支払われたということはできない

      というものです。

       

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