不動産と商事留置権

  • 2018.07.14 Saturday
  • 15:58

不動産が商事留置権の目的物に含まれるかについて、最高裁判決(平成29年12月14日)がなされたのでご紹介します。

 

その判旨は、

不動産は、商法521条が承認間の留置権の目的物として定める「物」に当たる

というものです。

弁護士が職務を行えない行為(弁護士法25条1号)

  • 2018.04.06 Friday
  • 09:08

弁護士が職務を行いえない行為(弁護士法25条1号)に関し、最高裁決定(平成29年10月5日)が出ましたので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

(杆郢遼。横犠鬘厩罎飽稟燭靴徳幣拌緲人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為については、相手方である当事者は、裁判所に対し、上記訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権を有する

∧杆郢遼。横犠鬘厩羂稟燭鰺由として訴訟行為を排除する旨の決定に対しては、自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は、即時抗告をすることができる(民訴法25条5項)

➂上記決定に対しては、訴訟行為を排除するものとされた訴訟代理人又は訴訟復代理人は、自らを抗告人とする即時抗告をすることはできない

で忙佐漂眇佑鮓狭陲箸垢訌幣戮砲いて、破産手続開始前に破産者から再生手続開始の申立て等について委任を受けた弁護士が、被告の訴訟代理人として訴訟行為を行うことは、弁護士法25条1号に違反する

というものです。

 

弁護士法25条

弁護士は、次に掲げる事件については、その職務を行つてはならない。ただし、第三号及び第九号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

 

最高裁判決昭和38年10月30日

弁護士法25条1号に違反する訴訟行為については、相手方である当事者は、これに異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることができる

民事再生における無償行為否認

  • 2018.03.30 Friday
  • 11:30

民事再生における無償行為否認(民再127条3項)の要件に関し、最高裁判決(平成29年11月16日)が出ましたので、ご紹介いたします。

 

その要旨は、

再生債務者が無償行為等の時に債務超過であること又はその無償行為等により債務超過になることは、民意再生法127条3項に基づく否認権行使の要件ではない

とするものです。

 

民事再生法127条3項

再生債務者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。

 

破産後に一部弁済を受けた破産債権者の残債権超過部分の配当

  • 2018.03.10 Saturday
  • 08:18

破産後に一部弁済を受けた破産債権者に対する、実体法上の残債権額を超過する部分の配当について、最高裁決定(平成29年9月12日)が出ましたので、その内容をご紹介いたします。

 

その要旨は、

破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合において、破産手続開始時における債権額を基礎として計算された配当額が実体法上の残債権額を超過するときは、その超過する部分は当該債権について配当すべきである

というものです。

 

もっとも、超過部分は、求償権者(物上保証人)に帰属すべきものなので、例えば’枦を受けたうえで不当利得として求償権者に交付する、超過部分の配当請求権を求償権者に譲渡するなど、利益調整を別途行う必要があると考えられます。

 

※破産法104条

1 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。

2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。

3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。

4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。

5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する

保証人に対する貸金請求の支払督促と保証債務の時効中断

  • 2018.02.12 Monday
  • 09:54

保証契約締結の趣旨で貸金の債務弁済契約公正証書を作成した場合に、当該保証人に対する貸金の支払いを求める支払督促が、当該保証人に対する保証債務履行請求権の消滅時効中断の効力を生じないとする最高裁判決(平成29年3月13日)がなされましたので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

保証契約締結の趣旨で貸金の債務弁済契約公正証書を作成した場合に、公正証書に記載された貸金の返還を求めて当該保証人に対して支払督促をしても、貸金返還請求権の根拠事実は、保証債務履行請求権の根拠事実と重なるものではなく、むしろ、貸金返還請求権の行使は、保証債務履行請求権の行使と相いれないものであるから、上記支払督促は、当該保証人に対する保証債務履行請求権について消滅時効中断の効力を生じない

というものです。

 

 

医師の年棒と割増賃金

  • 2018.02.04 Sunday
  • 13:03

医師の年棒に割増賃金を含める旨の合意がされていた場合について、最高裁判決(平成29年7月7日)がなされたのでご紹介します。

 

その判旨は、

割増賃金をあらかじめ基本給等に含める方法で支払う場合には、労働契約における基本給等の定めにつき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別できることが必要であり(最判平成6年6月13日、最判平成24年3月8日、最判平成29年2月28日)、医師との間で時間外労働等に対する割増賃金を年棒1700万円に含める旨の合意がされていたものの、割増賃金として支払われた金額を確定することができない場合には、割増賃金が支払われたということはできない

というものです。

 

弁護士法違反の裁判外和解の効力

  • 2018.01.19 Friday
  • 10:26

弁護士法72条に違反して認定司法書士が行った裁判外和解の効力に関する判例(最判平成29年7月24日)が出ましたので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

認定司法書士が140万円を超える過払金の返還請求権につき委任契約を締結することは、弁護士法72条に違反するものであって、その委任契約は、民法90条に照らし無効となる(最判昭和38年6月13日)。その場合、当該委任契約を締結した認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することも弁護士法72条に違反するが、締結した裁判外和解契約の効力については、委任契約の効力とは別に、同条の趣旨を達するために当該和解契約を無効とする必要性があるか否か等を考慮して判断されるべきものである。

そして、認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することが弁護士法72条に違反する場合であっても、当該和解契約は、その内容及び締結に至る経緯等に照らし、公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り、無効とはならない。

というものです。

 

 

弁護士法72条

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

 

司法書士法3条1項7号

司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。

七 民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限る。)であつて紛争の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は仲裁事件の手続若しくは裁判外の和解について代理すること。

 

裁判所法33条1項1号

簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。

一 訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)

 

株主総会の決議による代表取締役選任

  • 2017.06.27 Tuesday
  • 09:32

株主総会の決議による代表取締役の選任に関し、最高裁決定(平成29年2月21日)が出ましたのでご報告いたします。

 

その要旨は、

取締役会設置会社における、取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めは、有効である

というものです。

 

会社法295条

1 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。

 

会社法362条2項

取締役会は、次に掲げる職務を行う。

  代表取締役の選定及び解職

 

予めの合意に基づく第三者の再生債権を自働債権としてする相殺の可否

  • 2017.04.28 Friday
  • 10:25

予めの合意に基づき、第三者が有する再生債権を自働債権として、再生債務者に対する債務と相殺できるかに関し、最高裁判決(平成28年7月8日)がなされましたので、ご報告いたします。

 

その判旨は、

再生債務者に対して債務を負担する者が、当該債務に係る債権を受働債権とし、自らと完全親会社を同じくする他の株式会社が有する再生債権を自働債権としてする相殺は、これをすることができる旨の合意があらかじめされていた場合であっても、民事再生法92条1項によりすることができる相殺に該当しない

というものです。

 

※民事再生法92条1項

 再生債権者が再生手続開始当時再生債務者に対して債務を負担する場合において、債権及び債務の双方が第九十四条第一項に規定する債権届出期間の満了前に相殺に適するようになったときは、再生債権者は、当該債権届出期間内に限り、再生計画の定めるところによらないで、相殺をすることができる。債務が期限付であるときも、同様とする。

死亡保険金請求権の破産財団への帰属

  • 2017.03.13 Monday
  • 17:26

破産手続開始前に破産者を死亡保険金受取人とする生命保険契約が締結され、破産手続開始後に被保険者が死亡した場合に、死亡保険金請求権が破産財団へ帰属するかどうかについて、最高裁判決(平成28年4月28日)がなされましたので、ご報告いたします。

 

その判旨は、

第三者のためにする生命保険契約の死亡保険金受取人は、当該契約の成立により、当該契約で定める期間内に被保険者が死亡することを停止条件とする死亡保険金請求権を取得すると解され(最判昭和40年2月2日)、この死亡保険金請求権は、被保険者の死亡前であっても、一定の財産的価値を有することは否定できない。

したがって、破産手続開始前に成立した第三者のためにする生命保険契約に基づき破産者である死亡保険金受取人が有する死亡保険金請求権は、破産法34条2項により破産財団に属する

というものです。

 

※破産法34条2項

 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団に属する。

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