団地の専有部分における個別の電力供給契約の解約申入れを義務付ける集会決議の効力

  • 2020.02.12 Wednesday
  • 19:35

団地建物所有者等に対し、専有部分における個別の電力供給契約の解約申入れを義務付ける細則を設定する総会決議がされた場合において、かかる解約申入れをしないことが他の団地建物所有者に対する不法行為を構成しないとする最高裁判決(平成31年3月5日)がなされたのでご紹介いたします。

 

その判旨は、

団地管理組合法人の総会決議において、団地建物所有者等に個別契約の解約申入れを義務付ける部分は、専有部分の使用に関する事項を決するものであって、団地共用部分の変更またはその管理に関する事項を決するものではなく、団地管理組合法人が一括して電力供給契約を締結するために、個別契約の解約が必要であるとしても、区分所有法17条1項又は18条1項の決議として効力を有するものとはいえない。

そして、規約の細則が個別契約の規約を義務付ける部分を含むとしても、区分所有法30条1項の団地建物所有者相互間の事項を定めたものではなく、効力を有するものとはいえない。

というものです。

 

 

建物区分所有法

第17条1項

共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。

第18条1項

共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

第30条1項

建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。

 

相続と個人情報

  • 2020.01.02 Thursday
  • 01:26

相続財産である預金についての印鑑届書が、相続人において個人情報にあたるかについて、最高裁判決(平成31年3月18日)が出ましたので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

相続財産に関する情報が被相続人に関する個人情報にあたるとしても、そのことから直ちに、当該情報が当該相続財産を取得した相続人に関する個人情報にあたるということはできない。

そして、預金を相続したからと言って、被相続人の印鑑届書が相続人との銀行取引に使用されることはないから、印鑑届書が相続人に関する個人情報ということはできない。

というものです。

 

所有権留保と譲渡担保

  • 2019.12.24 Tuesday
  • 08:37

所有権留保と譲渡担保の関係に関する最高裁判決(平成30年12月7日)がなされましたので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

継続的売買契約において、売買代金完済まで売買目的物の所有権が売主に留保されていた場合、買主から売買目的物に譲渡担保権の設定を受けた者は、売買代金完済まで、売主に対して譲渡担保権を主張することはできない

というものです。

マンション管理組合理事長の解任

  • 2019.01.24 Thursday
  • 09:56

理事の互選により選任されたマンション管理組合の理事長の解任について、最高裁判決(平成29年12月18日)がなされたのでご紹介いたします。

 

その判旨は、

管理規約に以下のような定めがある場合、

 〔魄として理事長を含む理事を置く

 ⇒事は総会で選任する

 M事長は理事の互選により選任する

 ぬ魄の選任・解任については、総会の決議を経なければならない

理事の互選により選任された理事長について理事の過半数の一致により理事長の職を解き、別の理事を理事長に定めることも総会で選任された理事に委ねる趣旨と解するのが、管理規約を定めた区分所有者の合理的意思に合致する。管理規約において役員の解任が総会の決議事項とされていることは、上記のように会する妨げにはならない。

したがって、理事長の互選により選任された理事長につき、上記の定めに基づいて、理事の過半数の一致により理事長の職を解くことができる

というものです。

 

会社分割と信義則

  • 2018.11.23 Friday
  • 14:58

吸収分割により賃借人の地位が承継された場合において、賃借権譲渡禁止特約に基づく解除に伴う違約金請求についての最高裁決定(平成29年12月19日)がなされたので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

吸収分割契約の定めに従い、吸収分割承継会社が吸収分割会社の賃貸借契約に係る権利義務を承継する場合において、

)楫鏃物を長期にわたり吸収分割会社に賃貸し、その賃料によって本件建物の建築費用を回収することを予定していたこと

賃借権譲渡禁止特約違反による解除に伴う違約金条項は、賃借人の変更による不利益を回避する意図であったこと

5杣分割承継会社は、支払い能力を欠くことが明らかであること

ぐ稾鷆盧銚△狼杣分割の効力発生後に解除の意思表示によって発生するので、吸収分割について異議を述べることができたとはいえないこと

から、吸収分割がされたことを理由に違約金債権に係る債務を負わないと主張することは、信義則に反し許されず、吸収分割後も、吸収分割会社に対して違約金債権に係る債務の履行を請求することができる

というものです。

 

会社法789条1項

1 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。

 二 吸収分割をする場合 吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第758条第8号又は第760条第7号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)

2 前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。

 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

4 債権者が第2項第4号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。

5 債権者が第2項第4号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

 

 

 

抵当権の時効消滅

  • 2018.11.15 Thursday
  • 08:44

被担保債権が免責された場合における抵当権の時効消滅について、最高裁判決(平成30年2月23日)がなされたのでご紹介します。

 

その要旨は、

抵当権の被担保債権が免責許可決定の効力を受ける場合には、民法396条は適用されず、債務者及び抵当権設定者に対する関係においても、民法167条2項所定の20年の消滅時効にかかる

というものです。

 

民法396条

 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。

 

民法167条2項

 債権又は所有権以外の財産権は、20年間行使しないときは、消滅する。

不動産と商事留置権

  • 2018.07.14 Saturday
  • 15:58

不動産が商事留置権の目的物に含まれるかについて、最高裁判決(平成29年12月14日)がなされたのでご紹介します。

 

その判旨は、

不動産は、商法521条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たる

というものです。

弁護士が職務を行えない行為(弁護士法25条1号)

  • 2018.04.06 Friday
  • 09:08

弁護士が職務を行いえない行為(弁護士法25条1号)に関し、最高裁決定(平成29年10月5日)が出ましたので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

(杆郢遼。横犠鬘厩罎飽稟燭靴徳幣拌緲人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為については、相手方である当事者は、裁判所に対し、上記訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権を有する

∧杆郢遼。横犠鬘厩羂稟燭鰺由として訴訟行為を排除する旨の決定に対しては、自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は、即時抗告をすることができる(民訴法25条5項)

➂上記決定に対しては、訴訟行為を排除するものとされた訴訟代理人又は訴訟復代理人は、自らを抗告人とする即時抗告をすることはできない

で忙佐漂眇佑鮓狭陲箸垢訌幣戮砲いて、破産手続開始前に破産者から再生手続開始の申立て等について委任を受けた弁護士が、被告の訴訟代理人として訴訟行為を行うことは、弁護士法25条1号に違反する

というものです。

 

弁護士法25条

弁護士は、次に掲げる事件については、その職務を行つてはならない。ただし、第三号及び第九号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

 

最高裁判決昭和38年10月30日

弁護士法25条1号に違反する訴訟行為については、相手方である当事者は、これに異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることができる

民事再生における無償行為否認

  • 2018.03.30 Friday
  • 11:30

民事再生における無償行為否認(民再127条3項)の要件に関し、最高裁判決(平成29年11月16日)が出ましたので、ご紹介いたします。

 

その要旨は、

再生債務者が無償行為等の時に債務超過であること又はその無償行為等により債務超過になることは、民意再生法127条3項に基づく否認権行使の要件ではない

とするものです。

 

民事再生法127条3項

再生債務者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、再生手続開始後、再生債務者財産のために否認することができる。

 

破産後に一部弁済を受けた破産債権者の残債権超過部分の配当

  • 2018.03.10 Saturday
  • 08:18

破産後に一部弁済を受けた破産債権者に対する、実体法上の残債権額を超過する部分の配当について、最高裁決定(平成29年9月12日)が出ましたので、その内容をご紹介いたします。

 

その要旨は、

破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合において、破産手続開始時における債権額を基礎として計算された配当額が実体法上の残債権額を超過するときは、その超過する部分は当該債権について配当すべきである

というものです。

 

もっとも、超過部分は、求償権者(物上保証人)に帰属すべきものなので、例えば’枦を受けたうえで不当利得として求償権者に交付する、超過部分の配当請求権を求償権者に譲渡するなど、利益調整を別途行う必要があると考えられます。

 

※破産法104条

1 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。

2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。

3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。

4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。

5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する

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