相続税節税のための養子縁組と縁組意思

  • 2017.08.23 Wednesday
  • 08:41

相続税節税のための養子縁組と縁組意思に関する最高裁判決(平成29年1月31日)がなされましたので、ご紹介します。

 

その判旨は、

専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない

というものです。

 

民法802条1号

縁組は、次に掲げる場合に限り、無効とする。

 人違いその他の事由によって当事者間に縁組をする意思がないとき。

押印に代えて花押が書かれた遺言書の効力

  • 2017.02.13 Monday
  • 13:52

押印に代えて花押が書かれた遺言書の効力に関する最高裁判決(平成28年6月3日)をご紹介します。

 

その判旨は、

我が国において、印章による押印に代えて花押を書くことによって文章を完成させるという慣行ないし法意識が存するものとは認め難い。

以上によれば、花押を書くことは、印章による押印と同視することはできず、民法968条1項の押印の要件を満たさない。

というものです。

 

※民法968条1項

 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

 

※民法960条

 遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。

 

※最判平成1年2月16日

 押印としては、遺言者が印章に代えて拇指その他の指頭に墨、朱肉等をつけて押捺すること(以下「指印」という。)をもって足りる。

相続開始後認知された者の価額支払請求権

  • 2016.08.08 Monday
  • 15:58

相続開始後に認知された者の遺産分割に関する価額支払請求権(民法910条)について、最高裁判決(平成28年2月26日)が出たので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

 

^篁困硫然杙残蠅隆霆犹は、価額支払請求時

価額支払債務の履行遅滞は、履行請求を受けた時から

というものです。

 

,陵由として、請求時までの遺産の価額の変動を他の共同相続人が支払うべき金額に反映させるとともに、その時点で直ちに当該金額を算定し得るものとすることが、当事者間の衡平の観点から相当であるとしています。

また、△陵由として、価額支払債務は、期限の定めのない債務であって、履行の請求を受けた時に遅滞に陥ると解するのが相当であるとしています。

 

※民法910条

相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。

預金の遺産分割

  • 2016.04.08 Friday
  • 15:45
預金を遺産分割の対象にできるかどうかが争われた審判の許可抗告審で、最高裁が審理を大法廷に回付しており、「預金債権は法律上当然分割され各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継する」とした昭和29年4月8日の最高裁判決を見直す可能性が出ています。

預金も不動産などとともに遺産を構成し、これを遺産分割すると考えるのが一般の感覚であると思いますし、相続財産のほとんどは預金だが、寄与分や特別受益が存在するため調整が必要となる場合もあるので、私としては見直しを支持したいと思います。