相続開始後認知による遺産分割請求における支払額の算定基礎となる遺産の価額

  • 2020.03.21 Saturday
  • 11:36

相続開始後認知によって相続人となった者が遺産分割を請求する場合に、他の共同相続人が既に遺産分割していたときの民法910条により支払われる価額の算定基礎となる遺産の価額についての最高裁判決(令和元年6月7日)がなされましたので、ご紹介いたします。

 

その要旨は、

遺産分割は、積極財産のみを対象とするものであって、消極財産である相続債務は、認知された者を含む各共同相続人に当然に承継され、遺産分割の対象とならない。

よって、相続開始後認知によって相続人となった者が遺産分割を請求する場合に、他の共同相続人が既に遺産分割していたときの民法910条により支払われる価額の算定基礎となる遺産の価額は,当該分割の対象とされた積極財産の価額である

というものです。

なお、他の相続人により相続債務が既に弁済されていた場合は、弁済者の被認知者に対する不当利得返還請求の問題になると考えられます。

 

 

民法910条

 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。