「主文例からみた請求の趣旨記載例集」が重版となりました。

  • 2018.03.24 Saturday
  • 10:50

先日、当事務所で、「主文例からみた請求の趣旨記載例集」(日本加除出版株式会社)を出版したことをお知らせしましたが、この度、重版(第2刷)が決定しました。

専門書なので重版といっても出版数は少ないですが、当事務所で初めて出版した書籍が出版後4か月で重版となりましたことは、大変光栄であるとともに、ご購入いただいた皆様に深く感謝いたします。

 

今後は、改正民法の施行に合わせて第2版を出版することを目標に、改訂作業に取り組んでいきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします(出版できるかどうかは不明です)。

 

破産後に一部弁済を受けた破産債権者の残債権超過部分の配当

  • 2018.03.10 Saturday
  • 08:18

破産後に一部弁済を受けた破産債権者に対する、実体法上の残債権額を超過する部分の配当について、最高裁決定(平成29年9月12日)が出ましたので、その内容をご紹介いたします。

 

その要旨は、

破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合において、破産手続開始時における債権額を基礎として計算された配当額が実体法上の残債権額を超過するときは、その超過する部分は当該債権について配当すべきである

というものです。

 

もっとも、超過部分は、求償権者(物上保証人)に帰属すべきものなので、例えば’枦を受けたうえで不当利得として求償権者に交付する、超過部分の配当請求権を求償権者に譲渡するなど、利益調整を別途行う必要があると考えられます。

 

※破産法104条

1 数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる。

2 前項の場合において、他の全部の履行をする義務を負う者が破産手続開始後に債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為(以下この条において「弁済等」という。)をしたときであっても、その債権の全額が消滅した場合を除き、その債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてその権利を行使することができる。

3 第一項に規定する場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者は、その全額について破産手続に参加することができる。ただし、債権者が破産手続開始の時において有する債権について破産手続に参加したときは、この限りでない。

4 第一項の規定により債権者が破産手続に参加した場合において、破産者に対して将来行うことがある求償権を有する者が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をしたときは、その債権の全額が消滅した場合に限り、その求償権を有する者は、その求償権の範囲内において、債権者が有した権利を破産債権者として行使することができる。

5 第二項の規定は破産者の債務を担保するため自己の財産を担保に供した第三者(以下この項において「物上保証人」という。)が破産手続開始後に債権者に対して弁済等をした場合について、前二項の規定は物上保証人が破産者に対して将来行うことがある求償権を有する場合における当該物上保証人について準用する

保証人に対する貸金請求の支払督促と保証債務の時効中断

  • 2018.02.12 Monday
  • 09:54

保証契約締結の趣旨で貸金の債務弁済契約公正証書を作成した場合に、当該保証人に対する貸金の支払いを求める支払督促が、当該保証人に対する保証債務履行請求権の消滅時効中断の効力を生じないとする最高裁判決(平成29年3月13日)がなされましたので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

保証契約締結の趣旨で貸金の債務弁済契約公正証書を作成した場合に、公正証書に記載された貸金の返還を求めて当該保証人に対して支払督促をしても、貸金返還請求権の根拠事実は、保証債務履行請求権の根拠事実と重なるものではなく、むしろ、貸金返還請求権の行使は、保証債務履行請求権の行使と相いれないものであるから、上記支払督促は、当該保証人に対する保証債務履行請求権について消滅時効中断の効力を生じない

というものです。

 

 

医師の年棒と割増賃金

  • 2018.02.04 Sunday
  • 13:03

医師の年棒に割増賃金を含める旨の合意がされていた場合について、最高裁判決(平成29年7月7日)がなされたのでご紹介します。

 

その判旨は、

割増賃金をあらかじめ基本給等に含める方法で支払う場合には、労働契約における基本給等の定めにつき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別できることが必要であり(最判平成6年6月13日、最判平成24年3月8日、最判平成29年2月28日)、医師との間で時間外労働等に対する割増賃金を年棒1700万円に含める旨の合意がされていたものの、割増賃金として支払われた金額を確定することができない場合には、割増賃金が支払われたということはできない

というものです。

 

書籍出版のお知らせ

  • 2018.01.27 Saturday
  • 09:47

当事務所において、「主文例からみた請求の趣旨記載例集」(日本加除出版株式会社)を2017年11月に出版いたしましたので、遅ればせながらご報告いたします。

 

 

請求の趣旨とは、訴状に記載する、被告に対する請求内容をいいますが、近時、請求の趣旨に特化した書籍が見受けられなかったことから、当事務所で書籍化したものです。

広範な裁判例の主文を整理・検討し、訴訟類型・事件類型ごとに豊富なバリエーションの請求の趣旨記載例を提示しております。

民事訴訟に関わる多くの実務家のお役に立てるものと考えておりますので、ご覧いただけると大変うれしく思います。

 

http://www.kajo.co.jp/book/40697000001.html

http://www.kajo.co.jp/data/leafPDF/40697000001.pdf

弁護士法違反の裁判外和解の効力

  • 2018.01.19 Friday
  • 10:26

弁護士法72条に違反して認定司法書士が行った裁判外和解の効力に関する判例(最判平成29年7月24日)が出ましたので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

認定司法書士が140万円を超える過払金の返還請求権につき委任契約を締結することは、弁護士法72条に違反するものであって、その委任契約は、民法90条に照らし無効となる(最判昭和38年6月13日)。その場合、当該委任契約を締結した認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することも弁護士法72条に違反するが、締結した裁判外和解契約の効力については、委任契約の効力とは別に、同条の趣旨を達するために当該和解契約を無効とする必要性があるか否か等を考慮して判断されるべきものである。

そして、認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することが弁護士法72条に違反する場合であっても、当該和解契約は、その内容及び締結に至る経緯等に照らし、公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り、無効とはならない。

というものです。

 

 

弁護士法72条

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

 

司法書士法3条1項7号

司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。

七 民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限る。)であつて紛争の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は仲裁事件の手続若しくは裁判外の和解について代理すること。

 

裁判所法33条1項1号

簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。

一 訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)

 

相続税節税のための養子縁組と縁組意思

  • 2017.08.23 Wednesday
  • 08:41

相続税節税のための養子縁組と縁組意思に関する最高裁判決(平成29年1月31日)がなされましたので、ご紹介します。

 

その判旨は、

専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない

というものです。

 

民法802条1号

縁組は、次に掲げる場合に限り、無効とする。

 人違いその他の事由によって当事者間に縁組をする意思がないとき。

建物仮差押後の敷地譲渡と法定地上権

  • 2017.07.29 Saturday
  • 17:24

建物仮差押後の敷地譲渡と法定地上権の成否に関する最高裁判決(平成28年12月1日)がなされましたので、ご紹介いたします。

 

その判旨は、

地上建物仮差押が本執行移行した競売手続きにおける買受人が地上建物の所有権を取得した場合、土地及び地上建物が仮差押え時点で同一の所有者に属していたときは、差押時点では土地の譲渡により土地及び地上建物が同一人に属していなかったとしても、法定地上権が成立する

というものです。

 

民事執行法81条

 土地及びその上にある建物が債務者の所有に属する場合において、その土地又は建物の差押えがあり、その売却により所有者を異にするに至つたときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合においては、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。

 

cf民法388条

 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。

株主総会の決議による代表取締役選任

  • 2017.06.27 Tuesday
  • 09:32

株主総会の決議による代表取締役の選任に関し、最高裁決定(平成29年2月21日)が出ましたのでご報告いたします。

 

その要旨は、

取締役会設置会社における、取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めは、有効である

というものです。

 

会社法295条

1 株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。

 

会社法362条2項

取締役会は、次に掲げる職務を行う。

  代表取締役の選定及び解職

 

弁護士会照会への報告拒絶と弁護士会に対する不法行為の成否

  • 2017.05.03 Wednesday
  • 09:44

弁護士会照会(弁護士法23条の2第2項)に対し報告を拒絶した場合に、弁護士会に対し不法行為を構成しないという最高裁判決(平成29年10月18日)がなされたのでご紹介します。

 

その判旨は、

弁護士会照会の照会先は、正当な理由がない限り照会された事項について報告すべきものと解されるが、弁護士会が弁護士会照会の権限を付与されているのは、あくまで制度の適正な運用を図るためにすぎないので、報告を受けることにつき法律上保護される利益を有するものとは解されない。

したがって、報告拒絶行為が弁護士会に対する不法行為を構成することはない。

というものです。

 

※弁護士法23条の2

1 弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。

2 弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

 

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< January 2019 >>

selected entries

categories

archives

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM